エアコンレス車乗り大学生のブログ

自動車部でダート好きな大学生の雑記

ラリー・モンテカルロ・モンテカルロ参戦記 その3 車検・ラリー1日目

途中まで書いていた下書きが全て飛んでしまってから萎えて更新していなかったが続きを書いていきます。

 

1月31日

 この日の午後8時から次の日の夜までラリー1日目は続く。その間ドライバーとコドラは休みなく運転を続けるから大変である。1日目の移動だけで500km以上ある上にその行程のほとんどが山道となる。サービス隊も本部ごと1日目のゴールでありその後3日間のスタート地点となる街バランスへと移動する。サービス隊は4班に分かれており、全体で移動する日には本部班もサービスをするので初日は全部で5班で分担してサービスを行う。

 自分はサービスA班、通称キャンター班に配属された。日本から運んできた唯一のトラックであるキャンターには日本から持ってきた全ての工具やタイヤ、スペアパーツ、積載力を活かして大量の燃料を積んでおり、何か問題が起きたら現地に飛んでいくのがサービス以外のキャンター班の主な役目である。ホンダ学園の教員(めちゃ整備できる)とホンダ学園の選抜メンバー二人(めっちゃ出来る)、東大生二人とネッツ富山から来てくれたサポート一人がメンバーである。

 

さて、この日は午後2時から車検もあったので朝起きたらすぐにモナコに移動した。

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F1モナコGP最終コーナー

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パルクフェルメはF1のパドックが置かれる場所


昨日のうちに車検には通るようになっているので時間になったら車検レーンに突っ込むだけのはず。実際朝から来てると時間が結構余ってしまった。ただ現地にはラリーに参加する車両が続々と集まってくるので見ていて飽きない。写真を撮りまくってTwitterに上げようとしたけど電波がない。海外でも使えるSIMを協賛してもらっているのだがモナコは範囲外との事。ただたま〜に電波が入ってくる。偶に入ってくる電波のためにリロードしまくる猿のようになってしまったので諦めたが、ホンダ生がWIFIを貸してくれた。ホンダ生はサービス班ごとに海外WIFIを借りたらしい。協賛してもらったSIMは各所で電波が不安定になったり人によっては電波を拾わなかったりでホンダ生が持っていたWIFIには何度も助けられた。東大側でも借りるべきだった。時間潰しているうちに車検の時間が近づいてきたが何だかバタバタしている。ステッカーをまだ貼っていなかったらしい。エントリーナンバーのステッカーやらモンテのプレートを総出で貼り付けて終わった車を車検レーンに送り出す。

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ファンに盗まれることもあるらしいプレート

全台車検を受けさせたところでまた問題が発生。雪がないためチェリーとトレノのタイヤをピンのついていない日本から持ってきたスタッドレスタイヤに交換していたのだが、これにはEU圏で認められたタイヤに付くEマークがないのでダメとの事。仕方ないので用意していたハーフスパイクに交換して全台車検を合格した。

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Eマークなんて初めて聞いたよ.......

車検後は8時ごろのスタートまで時間が空くのでスタート後の長丁場に備えて各自休憩。自分はキャンターの後ろで寝ていて、気付いたら暗くなっていた。

8時のスタート前にキャンター班は出発した。本来設定されていなかったサービス0ポイントを作りそこでタイヤ交換をするらしい。チェリーのタイヤをハーフスパイクから先日ピンを抜枯れてスタッドレスになったタイヤに交換との事。スタートを見られなかったのは残念だけど仕方ないね。最初のサービスという事で皆緊張していてキャンターの中で何度もシミュレーションを重ねた。0ポイントの駐車場で待っているとオペル先輩が先に入ってきた。こちらもタイヤ交換らしい。

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オペル先輩

サービスは問題なく終了して、初めての成功に班のみんなで喜びあった。撤収するぞ〜と言っていると近くに止まっていたプジョーの小型車から怪しい空気が。。。

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競技とは全く関係ない一般のプジョー

走行中エンジンが止まってしまって掛からないらしい。海外の人は車詳しくなくてもトラブルがあったら皆ボンネット開けてどうにかしようとするからわかりやすい。工具類は揃っているので早速トラブルシューティングが始まった。テスターでバッテリーを見てみると電圧が低い。バッテリーは最近変えたらしいのでオルタが調子悪いのだろうということに。みんなで押しがけしてなんとかエンジンはかかった。プジョーのドライバーさんに原因を伝え(もう一人の東大生がやってくれた)、手を振って分かれた。サービスも滞りなく終わり人助けもして最高のスタートが切れた!

 

さて、競技車は目的地のバランスに向けて山を縫うように蛇行するようなルートで向かっている。キャンター班は競技車に何かがあったとしても対応できるように高速道路を競技車と離れすぎない距離で進んでいく。 サービス0が終わったらしばらく(次の日まで)サービスの仕事はない。キャンターの中で全体の日程を確認していたら次のサービス1にも行けるのでは?と言う話が出てきた。行けるなら行くしかないのでサービス1に向かうことにした。もともとサービス1は二班で対応することになっていたがここに急遽キャンターも加わるので合計3班の大所帯になった。

 

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サービス1、道端のごみステーション

 サービス1は他の班がメインで整備をして我が班はサポートという感じだった。ここが終わったらしばらくサービスはないので高速道路のSAで眠ることに。キャンター狭くてエコノミー症候群になりそう。眠りも浅くて疲れも取れない。なんだかんだこの1日目が一番辛かった。この日以外はまあまあ眠れて疲れも取れた。この休憩の眠りがあまりに酷くてこのラリーに絶望してたが杞憂だったな。5時くらいには全員起きて日が昇る前に次のサービスの場所に移動を開始した。

次のサービスも担当ではなかったがキャンターのルートと競技車のルートがそこまで離れていなかったのでサービスの手伝いをしに行くことに。キャンターには電動工具も積んであるしキャンターがいるとサービスも速く終わる。去年のサービスでは車が不動になるレベルの問題がたくさんあったらしいが今年は大きな問題もなく進んでいる。

さらにキャンターで移動して次のサービスポイントへ。本来ならこのサービスポイント1つだったはずだが...... まあずっとトラックの中にいるよりはサービスしている方が気分的には良いのでよしっ。しかし直前のZR区間の入り口で競技車で混み合ってるらしく待てど暮らせど来ない。結局3時間ほど待ったと思う。

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通り雨が降ったがこの日以外は晴れだった。

最後のサービスにも行こうとしていてキャンターをできる限り飛ばしたのだがギリギリ間に合わず着いた頃には全ての車両が出発していた。

宿には9時ごろ着いたがバランスの宿がなかなか酷かった。鍵を渡されて部屋に行ったがドアを開けようとしてもドアノブに手応えが全くない。コツがあるらしくキー入れて一拍置いて優しく回すと開くらしいが最後までコツは掴めなかった。そしてサービス班の一つは日替わりで夕食を用意する担当になるのだがこの日はひどくて量があり得ないくらい少なかった。思い返せばこの日が最初で慣れてないのはわかるが現地ではめちゃくちゃキレてしまった。普段あまり怒らない方だが飯が絡むとガチギレしてしまう。また他のメンバーは部屋の中に鍵を忘れたままオートロックで締め出されてしまったらしくこの日も車中泊だったらしい。かわいそう。

 次の日は10時ごろ競技車が出発らしい。キャンターは9時ごろに出れば良さそう。パルクフェルメから帰ってきたドライバーさん達に不具合などを聞きに行ったらレビンのクラッチが切れずにクラッチを踏んでも常に半クラの状態らしい。またシビックのドライバーさんに話を聞きに行ったらビールもらった。ニースのクラフトビールらしいがめっちゃ美味かった。その代わりに1時間くらいラリコンの補正率を計算することになった。部屋でもちょっとした宴会をしていたが自分は2時くらいに寝た。明日は8時ごろに起きれば大丈夫らしいし。

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今まで飲んできたビールで一番美味かった。

 

と、思っていたら5時前に起こされた 。

続く